ランダムぽてとの配当生活

株式投資の配当金でセミリタイア生活しています。comipoで漫画も描いています。

社員が給料の3倍稼げと言われる理由

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ども。ランダムぽてとです。

会社の上司に「給料の3倍は稼げ!」なんて言われたことありませんか?


自分の給料の3倍も稼ぐなんてとても無理・・・。なんて思うかもしれません。

単に上司が部下に対して気合を入れる意味合いで言っているのか、それとも何か別の考えがあって言っているのか。

今日はその辺について掘り下げてみます。

 

お金の流れについて知る

そもそも3倍ってどこから出てきた数字なの?という疑問が生じます。 

これを知るためには、まず最初に会社がどうやって社員のお給料を支払っているのかを知る必要があります。 

 

では早速みていきましょう。
会社が物を売ったりサービスを提供すると、お客さんがお金を支払ってくれます。これが売上げとなります。全ての元です。

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しかし物を作るには材料を仕入れる必要があり、売上に応じてこの費用が変化します。
これを売上原価と言います。売上からこの売上原価を引くと、粗利(売上総利益)と呼ばれるものが出てきます。

正式名称は売上総利益ですが、粗利という表現がよく使われています。

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この残った粗利から販管費と呼ばれる費用を引いて利益を出します。
販管費とは販売及び一般管理費と呼ばれるものです。

 

販管費の内訳はどうなっているかと言うと、

  • 人件費(お給料)
  • 事務所の賃貸料
  • 水道光熱費
  • PCなどのリース料

などがあります。

お、ここでお給料が登場しました。

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粗利から販管費を引くと営業利益が出てきます。
営業利益とは、会社の本業で稼ぎだした利益の事です。

 

最終的な利益はこの営業利益に更に営業外収益を加え、営業外費用を引いて・・・とやっていくのですが、長くなるのでここまでにしておきましょう。

 

さて、利益が出ましたね。物を売って社員にお給料を支払い、利益が出るまでのイメージは掴めましたでしょうか?

 

それでは実際に具体的な数字を入れてみましょう。

 

で、3倍の根拠って何?

さて、いよいよ「お給料の3倍は稼げ」の根拠に迫ります。

人件費を見るには、決算書の損益計算書の販売費及び一般管理費の項目を見ます。損益計算書には「人件費」とは書かれていません。この中身を調べる必要があります。

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決算書を読み進めていくと、販売費及び一般管理費の内訳について記載されたページが出てきます。この部分が人件費に該当します。(各社項目が違っている場合があります)

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これはとあるアパレル会社の決算書から数字を拾ってきて作成した表です。

  単位:千円
売上 45,163,575
売上原価 19,122,801
粗利 26,040,774
販管費 22,724,026
人件費 7,297,803
その他 15,426,223
利益 3,316,747

 

粗利に対する人件費の割合の事を労働分配率と呼びます。計算式はこれです。

労働分配率(%)=人件費÷粗利益×100

 

このアパレル会社の場合、粗利に対する人件費の割合28%程になります。

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そう!会社が利益を出し、各種経費を差し引いて従業員にお給料を支払うためには、給料の3倍の粗利を稼がないといけないのです。

 

「給料の3倍稼げ」という理由はこういう事だったのです。上司も適当に3倍と言っていたのではなかったのですね。

 

この労働分配率は業種によってもまちまちです。目安は40-60%であり、特に正解の値はありません。

 

あなたは給料の3倍、しっかり会社に貢献出来ていますか!?

 

え、私?
そんなもん、知るかっーー(笑) 

  

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