どもー。ランダムぽてとです。
「ドラッカーと会計の話をしよう」というAmazonのカスタマーレビューで4.5の高評価の本を読みました。
感想ですが、利益とコストに対する自分の理解の浅さについて思い知らされました。
利益とは何か
収益 - 費用 = 利益
利益とは損益計算書の一番下に記載されるもの。
こう教わったのは私だけではないはず。そう、私は本や学校の授業でこう教わった。
しかし、それは利益の一面だけにスポットライトを当てていたのであって、本質ではなかったんですわ・・・。
ストーリー
あとがきまで入れると207ページあるが、ストーリー仕立てとなっていたため、読みやすかった。
主人公はイタリアンレストランを経営する町田純一という男性。純一君。
彼はレストランのコンセプトを「味は一流。値段は2流」として親しまれるレストランを目指している。
元々銀行マンだった純一は会計に関しては自信があった。
「会社を立ち上げてから挫折する経営者は会計の事が分かってないからだ」
純一はそんな人たちを数多く見てきた。自分は会計も学び、経営は大丈夫。そう思っていた。
しかし、レストランオープンから3年後、なんと純一も彼らの仲間入りをしてしまう。
何故・・何故、自分の事業は上手くいかなくなってしまったのか?
絶望に暮れていたある日、ロス行きの飛行機で純一は西園寺という男性と出会う。純一がレストランの話を西園寺にすると、西園寺は純一に興味を示し、一夜だけの特別な会計の話が始まった。
西園寺とは一体何者なのか?
そして何故レストラン経営は上手くいかなくなってしまったのか?
てな感じで物語は始まっていきます。
ドラッカーもバフェットも利益を重視しない
本書にはドラッカーの著書の引用が多く登場します。
例えば、事業の目標として利益を強調することは、事業の存続を危うくするところまでマネジメントを誤らせる。今日の利益のために明日を犠牲にする。
私は会社経営の目標は利益の追求と教わったが、どうやら利益を強調することは、逆に事業の存続を危機的なものにしてしまうらしい。
どゆこと?
それは私が習った利益というものの考え方と、西園寺がレクチャーしてくれる会計の話で出てくる利益とでは利益というものの捉え方が違っていたからだった。
またドラッカーはこんなことも言っています。
投資家のウォーレン・バフェットは、会社の内容を知りたい時には証券アナリストには聞かないと言っていた。彼らは利益を問題にする。利益が問題なのではない。
これは、1年をいくつかに分けて計算した期間利益は信頼するには危うい存在であるからであり、小手先の経理操作をしたところで、商売の実態は何も変わらないという事です。
信用すべきは利益ではなく現金。つまりキャッシュフローだとドラッカーもバフェットも考えているということです。
かけたコストと利益は比例しない
コストをかけたらそれに比例して売り上げも利益も上がると思っている人は間違えています。コストと利益の間に因果関係は存在しないのです。
ドラッカーは恐ろしい事を言っています。
第一に、業績の90%が業績上位の10%からもたらされるのに対し、コストの90%は業績を生まない90%から発生する。業績とコストは関係が無い。
第二に、資源と活動のほとんどは、業績にほとんど貢献しない90%の作業に使われる。
更に恐ろしい事に、経営者が会社運営の判断材料に見る損益計算書には、かかった金額は書いてあっても、それが利益を生む活動に使われたのか、無駄に使われたのかは書かれていません。
どれだけの収入があるかはつかんでいる。どれだけの支出があるかもつかんでいる。
どこへ支出しているかさえわかる。しかし、支出と成果を結びつけることができない。
その方法がわからない。
確かに言われるとそうだ。
全ての活動が価値に繋がっているわけではない。価値を生み出さない活動は何か、その活動にどれだけコストがかかっているかもわからない。
うわぁ、このブログで書いてる4コマ漫画にも当てはまるんじゃない?
製作時間の割にPVに大きな変化があるわけじゃないし・・・それよりも記事書いた方がいいんじゃない?コストかけてるわりに成果に繋がってないみたいな、そんな感じ。
ふぅ・・・・(深いため息)
コストの本質を見抜け
色々と西園寺に指摘されて凹んでいる純一だが、もうこれ以上削れるコストなんて無いと考える。ウェイターもソムリエも料理人も電気代や家賃だって全部必要なんだと。
西園寺は調子良い事言ってるピエロなんじゃない??
しかし西園寺は純一のレストラン経営の弱点を見抜き、アドバイスを始める・・・。
と、こんな感じで最初から最後までガーッと一気に読んでしまいました。
読み終えて、自分は利益とコストの1面しか見ていなかったんだなぁ・・主人公も純一と同じレベルだったのかと、本を読んで気が付きました。私がレストラン経営を始めても同じ運命を辿っていたと思われます。
利益の本質、そして現金を使う際に考えるべき事は何なのか?といったレストラン経営だけでなく投資の知識、考えが深まった1冊でした。結構良かった。今度どこかの決算書見る時には今回学んだ点も考慮して見てみよう。
あ、やだ・・・2,000字も書いちゃった・・・。
今後どうなるか気になるところです。
存続するかどうかは分かりませんが、キャッシュフロー生み出す事業手放してしまったら今後厳しいのでは。