ランダムぽてとの配当生活

株式投資の配当金でセミリタイア生活しています。comipoで漫画も描いています。

半導体に投資するのも悪くないと思い直した話

 

先日、東京エレクトロンに投資を行いました。
私は景気敏感株にはあまり投資しないのですが、半導体銘柄が最近売られまくっており、ここも高値の7万位から半値くらいになっていたので拾いました。
株を買った後に、よくよく考えたら半導体のことあまり詳しく知らないよなぁ・・と反省し、図書館で本を借りて半導体について調べていました。

 

読んだのはこれ。

図解即戦力 半導体業界の製造工程とビジネスがこれ1 冊でしっかりわかる教科書

 

2022/3/15に初版が出ているので技術内容や業界動向が最近のものです。
へぇ~と思えることが沢山あったので感想を書いていきます。

 

地味に強い日本の半導体製造装置メーカー

日本の半導体売上のシェアは、1988年には世界売り上げのうち50.3%を占めていました。しかしその後のシェアは右肩下がりで、近年では1桁台にまで落ち込んでいます。


まじすかぁ・・これだけ聞くと日本の半導体って終わってんのかなと思います。自分も半導体にはこのイメージが強くて、半導体って聞くと投資候補から外していたんですよ。

 

ところがどっこい、半導体はダメでも半導体製造装置のシェアは世界で30%程度あるとのこと。特に海外売上がでかい!


え、どうして日本の半導体が衰退していくのに、半導体製造装置は好調なわけ?と思ったのですが、理由がありました。

 

当初、日本では半導体メーカーが製造装置メーカーより強いという力関係になっていたために、何十億という価格の製造装置を納入しても、検収が終わるまで代金が支払われないという状態にあったのです。
検収にも1年かかることがあり、これじゃたまらん、というわけで製造装置メーカーは海外に販路を拡大させたわけです。何故なら海外の半導体メーカーは、代金の大半を納入時に支払ってくれたからです。

 

もともと日本の半導体産業は総合電機メーカーがやっていたため、自分のところで材料の調達から製造までを一貫して担っていました。
この構造だと自社グループ内で完結してしまっているために、海外売上を思うように伸ばせないのです。


いやぁ・・メリットがあると思われたこの構造が、のちに国際的な競争力を削ぐ結果になろうとは思いもしないでしょう。結果、親会社に依存しない独立系の製造装置メーカーが存在感を増すことになりました。

 

なるほどねぇ。
半導体=負け組みたいなイメージがあったのですが、一方で半導体製造装置メーカーは地味な業界でありながら実は強く、しっかり稼ぐ魅力的な企業だったんですね。

 

魅力的な企業が沢山

長くなるので、半導体業界の現状だけしか書きませんでしたが、本書には半導体製造プロセスの概要やその工程に強い装置を製造している企業が詳しく書かれています。


半導体の知識がゼロの人が読んでも、友達に「半導体ってこうやって作るんだよっ」「この会社はこの装置のこの加工に強みがあって・・・」と語れるくらいになれる本だと思います。

 

っていうか、東京エレクトロンもいいけど、ダイジング装置(ウェーハをチップに切り分ける)のディスコも良くね?世界シェア70%やん!
ちょおおお、待って!半導体等に使われる研磨材の世界シェア90%のフジミとかもええやんけー!ぶっちゃけ消耗品の方が安定しててええのんかー?
なんて感じで1人で本を読みながら悶絶しておりました(笑)
楽しい~~~!

 

半導体は売られすぎ?

さてさて、半導体装置銘柄を調べているとよく目にする企業がありますが、最近は売られまくって株価は落ち着きを見せています。
東京エレクトロン、ディスコ、アドバンテスト、SCREEN、日立ハイテク、ダイフク、ニコン・・・などなど。

 

ニュースでは「半導体不況が深刻、半導体メーカーが警告」、「コロナ特需の終焉」なんていう見出しが並んでおり、投資意欲を削ぐような雰囲気が漂っています。

 

ただ、一時的な需要のピークは過ぎたとしても、半導体市場は今後も自動運転やメタバース等での需要が期待されており、伸びていくと私は思っています。
それに伴い、半導体製造メーカーやそれに関連した企業の今後の業績も強いものになるでしょう。

こんな時だからこそ、業界や会社をじっくりと調査して次に備えたいですね。

ではでは。

今回読んだ本は半導体業界の今がイラスト付きで解説されており、非常に勉強になりました。投資をするしないに限らず、一般教養として学んでおいても損はないはずです。

 

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