という本を読みました。
一流の投資家は企業分析やテクニカル分析といった勉強だけでは投資で結果を出し続けるのは難しいく、加えてメンタルトレーニングが必要だと言っています。
その答えが本書にありました。
なぜ一流の投資家はメンタルを何よりも大切だと考えるのか
プロのテニス選手やスケート選手などトップアスリートは身体強化など基礎運動能力を高めるフィジカル面でのトレーニングに加え、精神面のトレーニングもメンタルトレーナーから受けています。
スポーツの場合、プレイ中にミスをすると今のが原因で負けてしまうのではないか。また同じようなミスをしてしまうのではないか。といったマイナス思考が生じます。そのマイナス思考に打ち勝つためにメンタル面のトレーニング必要なのです。
一方、スポーツの世界にプロがあるように、投資の世界でもプロと呼ばれる人が数多く存在し、彼らも同様に投資におけるメンタルの重要性を説いています。
ウォーレン・バフェット
「必要なのは市場心理の浮き沈みに振り回されない強靭な精神力である」
「辛抱強さや冷静さは、知能指数よりも重要かもしれない」ジム・ロジャーズ
「優秀だったはずの友人は、やるべきことを途中で投げ出してしまい、結果、成功を収めることが出来なかった。成功のためには何よりも忍耐と粘り強さが重要だ」ジョージ・ソロス
「私の実践的スキルを要約せよ、と求められたなら、ただひとこと「サバイバル」と答えるだろう。まず生き残れ。儲けるのはそれからだ」ベンジャミン・グレアム
「投資で成功するカギは自分自身に内在する」
世界的に著名な投資家がメンタル面の大切さについて語っているのです。
なぜ投資にメンタル面が重要と考えられているのでしょうか?
その答えは、マーケットは世界中の投資家たちの非合理的な行動によって価格が歪められ、非合理的な価格の動きをするからです。
- 何でこんなに上がるんだ?バブルなのか?もっと上がるだろう買おう!
- 何でここで下げ止まらないんだ?もうダメだ、こんなクソ株ぶん投げてやるっ。
投資という行為は、こうした投資家たちの非合理的な行動にも柔軟に対応していかなければなりません。週末に急に不安になったり、悪いニュースが聞こえるたびに株価の心配をしてしまう自分自身の心理的な弱さに対処するためにメンタル面の強化が重要だと言われているのです。
ずっと投資を続けていたい!それなら「レジリエンス」を身につけよう
投資の世界では、儲かる銘柄、儲かる手法などに重点が置かれてメンタル面の重要性があまり認識されていません。
自分のメンタルを保つために、決めた損切りポイントは絶対に守るとか、自分のリスク許容度を超えない資金管理をするといった方法が紹介されていますが、本当に出来てますか?
知識として知っているのと実際に出来るかどうかは別の話です。
いくら自転車の本を読んでも乗ってみたら乗れないのと一緒です。体験してみなければ身につきません。
そのため、いざ暴落が来ると損切り出来ずに損失が膨らんで退場したり、損すると怖いからやっぱり株はやめたという感じになります。
投資をやっていれば負ける日も当然あります。
そこで「もう投資なんてやーめた」とならないためにも、レジリエンスが必要なのです。
レジリエンスとは、心理学用語で「復元力」「精神的回復力」「逆境に立ち向かう力」と訳されます。
一流とされている投資家たちは何度も困難な状況から立ち直り、また自分を信じて投資を行い、素晴らしい結果に繋げています。何度でも逆境に立ち向かっていけるこの強さこそが「レジリエンス」の力なのです。
本書のレジリエンスを身につけるための方法をいくつか紹介したいと思います。
- 家族、友人などと良い関係をつくること
- 危機を克服できない問題だととらえないこと
- 変化を人生の一部として受け入れること
- 目標に向かって歩むこと
- 逃げずにきっぱりと行動すること
- 自己発見のチャンスを探すこと
などなど。全部で10項目あります。(続きが気になる方は本書「一流の投資家はなぜ、メンタルを大切にするのか?をお読み下さい)
レジリエンスはただ10項目を読んで覚えただけでは身につきません。
習得するには苦労や困難、逆境を実際に体験するしかありません。
→まずは逆境に備える
→勇気を持って立ち向かう
→振り返って自分の行動を反省し、経験を積む
→そこから学びを得る
→再び新たな逆境に立ち向かう
→最初に戻る
というサイクルを回すことで身につくのです。
失敗したなら何故失敗してしまったのか。次に同じことが起きたらどう防ぎ、どう対処するのか。失敗を見つめ直し、失敗から学ばなければなりません。
ここでのチャレンジ精神と失敗から学んだ知恵こそが、いずれやってくる「有事」の際に役に立つのです。
最後に
投資というのは孤独なものです。
誰かがオススメした株に投資するのも良いでしょう。
ただし、投資する、しないの最後の判断は自分で下さなければなりません。
最後に決めたのは自分。誰のせいにも出来ないからこそ、間違えてしまった時に自分を責めてしまいがちです。
マーケットは常に変化し、その度に困難や逆境があなたを襲うでしょう。
たとえ打ちのめされてしまっても、再び立ち上がれる力をつけ、長期的・継続的に投資を続けていける人こそが大きな投資成果を得られるでしょう。