過労死に関する以下の本を読んだ。
1つ目の本は過労死した複数の方の遺族へのインタビューを元に書かれた本である。
正直、最後まで読むのが辛かった。
裁判で勝利し、どんなに賠償金をもらっても解決なんてしないってこと。
残された遺族は、これから何を希望として生きていけば良いのかということ。
怒り、悲しみを背負いながら、それでも生きていかなければならない遺族の苦しみが文章を通じて伝わってきた。
ブラック企業は消えて無くなれ。消滅しろという感想しか出てこない。
2つ目の本は電通で過労死した高橋まつりさんに関する本である。
本の表紙には、母と娘が仲良く並んで写っている姿がある。
わずか24年という短さでこの世を去ってしまった彼女。
SNSに残った彼女の悲痛なSOSのメッセージや上司からのパワハラ発言が掲載されており、読んでいて胸が痛んだ。
娘からのSOSのメッセージを受け取った母親は「もう会社なんて辞めなさい」と伝えていた。それでも会社に行く娘に何を思ったのだろう。
きっと戦地に子を送り出すのと同じ心境であっただろうと思う。
何故、会社を辞めれず自死を選んでしまうのか
「死ぬくらいなら会社を辞めれば良い」という声を聞く。
しかし、真面目な人や、責任感が強い人にとって実行するのはなかなか難しい。
- 自分がやめて他の人に迷惑がかからないだろうか
- 今の仕事をやめて次が見つかるだろうか
- お世話になった人に対する裏切りじゃないだろうか
- 就職して喜んでくれた家族を悲しませてしまうのではないか
- 仕事を辞めるなんて言ったら親に怒られるだろう
- 家族が路頭に迷ってしまう
こんな事を考える。
実際、会社を辞める時に私も考えた。
考えて悩んでいると、すぐ次の日がやってくる。
あー嫌だ。嫌だなぁ・・と思いながら職場に行き、仕事をこなして夜遅くに帰ってまた考えて悩む。
そうしてまた朝が来るといった日々が続いた。
残業が多すぎてプライベートの時間が無い。
もう、生きるために仕事してるのか、仕事するために生きてるのかわからない。
ある時、フッとした時にもうどうでも良くなって、その勢いのまま速攻で退職届書いて出して辞めた。
今になって思う。
このフッとして、もうどうでも良くなった時。
ここに生きるか死ぬかの分岐点があったのではないか。
このまま辛いまま仕事して仕事して仕事して・・・ってしても、結局のところ社長の小遣いが増えるだけじゃん。自分の給料は全然増えないのに。アホくさと思って辞めた。
親に怒られようが、世話になった人に何言われようが、知ったこっちゃないわと。
真面目も責任感も知らん。残った奴らでなんとかしろと。
でも、社長や周りの人に凄くお世話になったと感じている人だと、こうもいかなかったんじゃないかとも思う。それで自死を選んでしまう人も一定数いるのではないだろうか。役に立てずに申し訳ない、死んで侘びますって。
もうどうしようもないくらい追い詰められていたんだと思う。
分け合えば余る、奪い合えば足りない
もう毎年の経済成長なんて望んでない。
ネットショップを見ればゴミで溢れかえってる。
あってもなくても構わないアプリで溢れかえってる。
誰も見ないような書類を作って何になる。
世の中、無駄な仕事が多すぎる。ゴミを作るために残業までしている。
そんな事より、精神的に満たされた生活が送れ、過労死なんて存在しない社会になって欲しいと切に願う。