ランダムぽてとの配当生活

株式投資の配当金でセミリタイア生活しています。comipoで漫画も描いています。

賃上げラッシュだが喜んでいいのか

 

 春闘で満額回答が続いている。だが賃金が上がるというのは手放しで喜べることではない。
 雇用側からしたら単にコスト増だ。社会保険料負担も増える。その分を商品なりサービスに対する価格として乗っけていかないと会社が維持できなくなる。何より景気が落ち込んでも簡単に給料を下げられない頭の痛い問題がある。

 労働者側も手取りは多少増えるのかもしれないが、結局のところ社会保険料や所得税、住民税などが給料に比例して上がって行く。そして怖いのが、退職した場合には加入していた社会保険から抜けて国民健康保険に加入することになるが、保険料は去年の所得に応じて決まるため、無職になっても退職後1年目の保険料はくっそ高く、退職する時にはある程度貯金をしておかないときつい。

 

 賃上げをして好循環を作るようなことを上の方は言ってるが、将来不安がある中で消費が拡大していくとは思えない。実際、日本の大半は中小企業だし、雇用者の約4割は非正規雇用だ。彼らには大企業のように賃金アップは望めない。結果、彼らは必要最低限の物しか買わず、娯楽は無料のものでいいやとなる。どうして自分が大企業の社員の給料アップのために貢献しないといかんのだ? 当然消費も落ち込む。インバウンドだよりかもしれん。

 

 そう、そうなんよね。桃鉄とかモノポリーといったゲームでも、特定のプレイヤーに富が集中しすぎると他プレイヤーがやる気をなくしてしまってゲームに参加しなくなるんだわ。そのプレイヤーに搾取されてる感が強くなるからな。そうなると何が起きるかと言うと、ゲームをやめてしまったり適当にプレイされるようになる。
 ゲームを長く継続させたいなら、プレイヤーに差が付き過ぎない程度に上手くコントロールして、もしかしたらいけるかも! と思わせ続けることが大事だ。でないと楽しいゲームは終わりを告げる。

 つまり現実世界だと働くのやめて生活保護やニートに近いことをしてた方が楽だわとなる。いつまでも搾取され続けるゲームなんてしていたくないというわけだ。当然結婚などしない。彼らは無言の抵抗を始める。こんな世界ならどうなっても良いわって感じで。で、結局回りまわって最後には困窮した彼らを救済するために給料アップした人達に対して税金が重くのしかかるという訳だ。笑うっしょ。
 中国の寝そべり族が良い例だ。彼らは自分が楽しめる時間を過ごすのに必要なだけの稼ぎを得るために最低限しか働かない。

 自分が痛みを負ってでも相手にダメージを与えたい。そんな感じになる。これは最後通牒ゲームに似たものを感じる。両者共にメリットが無い。富の偏り過ぎはゲーム継続の上で良くないんよね。今の経済はお金が無い若い人からしてみれば、年寄りによる経済的な幼児虐待だ。政治家はその辺わかってんのかね。

 

ではでは。
最後通牒ゲームの本だが、ゲーム自体は簡単で面白い。人間が必ずしも合理的な行動をとらず、心理面により行動が変化する多数の実験がされている。この実験、恐らく自分も納得がいかない場合は損をしてでもNoと言うだろう(笑)

 

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